このページでは客先常駐SEの帰属意識についてお話していこうと思います。
客先常駐SEにとって「帰属意識をもてない」「愛社精神が持てない」という悩みは常についてまわる問題です。
それが発展し「今の会社にいる意味がない」「違う会社に転職したい」というように仕事に対するモチベーションが大きく落ちてしまうエンジニアも少なくありません。
著者は元々客先常駐SEで、20年で延べ数百人のエンジニアと接してきました。
著者自身の体験と業界経験をふまえ、客先常駐SEの帰属意識が低い理由やその原因についてどこよりも詳しく解説してみました。
Contents
客先常駐SEの帰属意識が低い理由はどこにあるの?
そもそも客先常駐SEの帰属意識が低い理由はどういった点が原因なのでしょうか?
自社よりも現場に愛着がわく
会社から必要とされている感が全くない
仕事の達成感や満足感を分かち合えない
評価制度があいまいなためフレストレーションが溜まる
客先常駐SEの帰属意識を低くする代表的な理由はこの四つです。
当然ながらいずれもモチベーションに大きく関わる内容ばかりです。
こういった不満は積み重なっていき解消されない性質のものなので、時間の経過とともに徐々にモチベーションが下がっていくのです。
ではそれぞれの理由について詳しく説明していきます。
自社よりも現場に愛着がわく(会社には帰社日に帰るだけ)
客先常駐SEの帰属意識が低いのは自社よりも現場に愛着がわくことが理由の一つです。
自社社員との交流は多い人でも一か月に3時間~4時間程度帰社日などで確保するのがやっとです。
人によっては半年に一度自社に戻ってくるかこないか、という人も少なくありません。
一方でエンジニアは常駐先には毎日朝から晩まで顔を出しています。
多くの時間を一緒に過ごしたほうが愛着をもちやすいのは当然で、これは人と組織の関係でも同様です。
「自社の営業や上司は何もしてくれないけど常駐先のプロパーは親切だよね」というように所属する企業にネガティブなイメージを持ち現場に愛着を持ちやすいのです。
これが客先常駐SEの帰属意識が低い理由の一つです。
会社から必要とされている感が全くない
客先常駐SEの帰属意識が低い理由として自分が会社から必要とされている感が全くないことが理由の一つです。
これはすべての派遣エンジニアが薄々感じていることかもしれませんが、実はこれは感じているだけでなくまさしくその通りの仕組みなのです。
派遣ビジネスはエンジニアを商品として扱ってします。
客先常駐SEは大したスキルを持っていませんから雇用している会社からしたらどんな人材でも大差はないのです。(客先常駐の企業は未経験やロースキルを年中採用していることからもわかるはずです)
違いがあるとしたら多少利回りの高い商品と低い商品・あるいは市場に流通させやすい商品があるだけであなたは唯一無二の存在にはなりえません。
あなたが転職したとしても「利益が減ってしまったな」「次の商品を補充しないと」というだけのことで企業にとってはそれ以上でも以下でもありません。
組織から求められていないことを知ってしまうとモチベーションが下がるのは当然です。
仕事の達成感や満足感を分かち合えない
客先常駐SEの帰属意識が低いのは仕事の達成感や満足感を分かちあえないことも原因です。
もちろん派遣先の現場で一緒に働いているメンバーはいますし、完全に一人で作業するプロジェクトはほとんどありません。
しかし一緒に働いているメンバーは同じ会社の社員ではないことが多いですし、立場やバックボーンもまちまちです。
本音で話しあえる相手が少ない環境で働くという客先常駐SEの特徴です。
評価制度があいまいなため会社に対する不信感が高まる
客先常駐型の企業は評価制度があいまいでこれが帰属意識を下げる原因にもなります。
評価制度があいまいな理由はシンプルで、現場にいない人がエンジニアの評価をすることが多いためです。
これは少し考えればとんでもないとだとわかるはずです。
評価の正確性を期すことが困難ですし、そもそもエンジニアの成果物すらチェックしていないのにパフォーマンスを算出し給料を決めようということが無茶苦茶です。
そのかわりに資格取得状況・勤務状況・入社年数などを指標にして人事考課や査定をするのですが、これはエンジニアという職務の本質的な部分ではないのはご理解いただけるのではないでしょうか?
頑張っていたり優秀なエンジニアであればあるほど「会社は何もわかっていない」「こんなに頑張っているのに評価されない」「頑張ろうが頑張るまいが給料が上がらない」という考え方になってしまうのが客先常駐の評価制度です。これが客先常駐SEの帰属意識を下げる理由の一つです。
客先常駐SEの帰属意識が低いのはビジネスモデルが原因だった
客先常駐SEの帰属意識が低い理由やその原因と背景について説明させていただきました。
改めて説明するまでもなく、客先常駐というビジネスモデルが帰属意識を低下させている全ての原因です。
本文でも述べましたが、ただ仕事をこなして給料をもらえれば満足するというというエンジニアは極めて少ないです。
綺麗ごとかもしれませんがどんな人も以下のような部分を満たすことができるのが会社で働くということの大前提になっています。
組織の中にいることで精神的な充足感を得ることができる
組織の中にいることで安心感を感じることができる
仕事の達成感や満足感を得ることができる・分かち合える
客先常駐企業の帰属意識対策とは?
客先常駐企業(SES企業)も派遣型のビジネスにおいてエンジニアの帰属意識が低いのを理解しています。
そのため、客先常駐企業は帰属意識低下を防ぐ対策を行います。
客先常駐企業の帰属意識対策とは以下です。
定期的に帰社日を設ける
休日にイベントを開催し社員の交流を深める
大きなビジョンや理想を掲げ洗脳する
少しでもいい会社であるという印象をもってもらい辞めにくくしたり、目線をそらすことで退職を防ぐというのが帰属意識低下を防ぐ対策です。
しかしながら客先常駐SEの帰属意識問題は根が深く、本質的な解決にはならないのはいうまでもありません。
楽しく働ける転職先はどう見つける?転職活動のシンプルなルール
では会社を好きになり愛社精神をもって働くためにはどのような環境がいいのでしょうか?
ご説明したように派遣型ビジネスですと帰属意識を持つことが難しいため、当然ながら客先常駐以外の企業を選ぶ必要があります。
それ以外にもいくつかポイントがあります。
企業理念に対して共感することができるか
幅広い年齢の社員が在籍しているか
色々な価値観の社員がいて認めあう社風であるか
当たり前のように思うかもしれませんが、企業探しの重要なポイントとして参考にしてみてください。
経験上転職をして成功したり出世するのは本当に企業理念に対して腹落ちしていたり納得しているケースがほとんどです。
愛社精神をもてる企業をみつけられれば成功は間違いない
愛社精神を持つことや企業を好きになるということは強制されてもなかなかできません。
逆に言えば本当に好きな会社で夢中になり働くことができたらパフォーマンスがまるで違いますし半ば成功したようなものです。
転職活動のコツはシンプルで「本当に好きな会社に出会うこと」そのために「多くの企業に出会う事」です。
これが面接テクニックや経歴書の書き方よりもずっと本質的な転職活動に成功する秘訣です。
まとめ
客先常駐と帰社日・帰属意識について説明させていただきました。
客先常駐のデメリットに気がついたら少しでも早く転職活動を行うべきです。
エンジニアのピークは早い。20代を客先常駐で過ごすのは底辺確定
20代であればまだ客先常駐SEを脱出できるが30代になったらもう厳しい
生涯賃金を決定するのは20代にいかにキャリアを積めるかにかかっている
搾取されまくる客先常駐SEを辞めるだけで年収アップは簡単にできる
転職エージェントを使わないと圧倒的に失敗する確率が高いのは何故?
転職活動には「求人サイトを使う方法」と「転職エージェントを使う方法」がありますが、
失敗しないためには転職エージェントを使う方法が圧倒的にお勧めです。
客先常駐企業にも関わらず自社開発をしているようにみせて騙されてしまう
ブラック企業とホワイト企業の見分けがつきにくい(常に広告をだしている企業はカモフラージュがうまい)
年収アップするかどうかは、面接後でないとわからないため無駄足になりやすい
会社の雰囲気など実際にいかないとわからない部分が多い
入社後のギャップが生まれやすい
一方で転職エージェントを使うメリットは非常に大きいです。
それは簡単で転職エージェントの営業担当は実際に企業に行き、現場の取材をしているためミスマッチが発生しにくいのです。
営業担当が企業文化・開発環境・企業の雰囲気をしっているため入社後のミスマッチが起きにくい
転職エージェントのコネクションで、求人サイトにない非公開求人を紹介してもらうことができる
求人サイトで一つ一つ調べるよりも転職エージェントで紹介を受けたほうが求人数・質がずっと高い
すぐに転職を考えていなくとも無料でキャリア相談ができる
特にITエンジニアの場合、環境が非常に大切なため現場をよく知る転職エージェントに相談することは必須と言えるでしょう。
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